俺の妹が可愛すぎて。


「……ん……ユキ…ちゃん…?」


優花が目を覚まして、上半身だけ身体を起こす。


俺が名刺を手に取っているのに、気づいた優花はなんだか気まずそうに俯いた。



「……んな、誰でも目につくようなとこに置いとくなよ」

「………ごめんなさい…」

「……カレーあるけど、食べる?」


そう言ったけれど、優花は俯いたまま
黙っている。


「……具合でも悪いのか?」


そう言って、俺は目線が合うようにベッド脇に腰を降ろす。


それでも黙っている優花を見つめていると、優花の瞳から涙がポタッと落ちてシーツを濡らした。


「……優花…?」

「……っ……ど……っ…うし…て…?」


潤んだ瞳で俺を見る優花は、なんだか怒っているみたいにも見えた。


「……え…?」

「……どうして……一人で…悩んでるの……っ?」


力強くそう言った優花の瞳から、涙が溢れていた。


「……一人で…なんて、悩まないで……。……ユキちゃん……もっと…あたしに甘えていいんだよ…?


……『妹』なんて思わないで」



力強く……

そう言った優花に、返す言葉は見つからなかった。



「………この前……ユキちゃんのパパに会いに……会社まで行ったの……。

それで……あの日…ユキちゃんと、ユキちゃんのパパが話していたこと……

……全部、訊いたの……」



優花の様子がおかしかったのは、そのせいだったのかと、それを訊いて気づいた。






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