俺の妹が可愛すぎて。
まさか、噂になってるなんて一ミリも思わなかった。
「どういうことか、ちゃんと説明しろよ!ユキさんよぉ?」
次の日学校へ行くと、晴含め数名の男子に囲まれた。
「……へ?なんのこと?」
「何のことってしらばっくれんのかよっ?!持田(もちだ)が、昨日駅でユキと天使みたいな超絶可愛い女の子と手ぇ繋いでたって!」
いや、もう……
よりによって、なんでピンポイントにそこ見られてんの……。
「俺ら、親友だろっ?!なんで彼女できたって言ってくんねぇんだよ?!自分ばっかいい思いしやがってぇ〜〜〜!」
そう言って、晴は俺の両肩をガシッと掴むと容赦なく揺らす。
「……もう、うっぜぇな。誰だっていいじゃん。」
ちょっと焦らしてみる。
すると晴は怒ってんのか、興味深々なのか、よくわからない表情をした。
でも、明らかに興奮してるであろうことはわかる。
「……訊きたい?」
俺がそうやって余裕ぶって、怪しい笑顔でイジワル言ったのが気に障ったのだろうか。
「……っ……ユキなんて、知らないっ!」
まるで、女子みたいにその場から去って行った。
アイツをからかうと、マジで面白い。
俺がケラケラ笑っていると、隣にいた持田が声をかける。
「ごめん、ユキ。晴に言わないほうがよかった?」
「え?いいよ、冗談だから。」
「彼女じゃねぇの?手繋いでたから、オレ、てっきり彼女なのかと思った。」
「彼女じゃねぇよ。
まぁ……その……
『家族』……みたいなもんかな?』
ー『家族』ー
まだ慣れないそのフレーズに、なんとなく戸惑いながら言った。
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