俺の妹が可愛すぎて。


「……ユキちゃんは…?…どうしたの?」

「……まぁ……俺も似たようなもん」



正直に言えるわけない。


だって、これは俺が優花に告白する為にしでかされた罠なんだから。


まさかこんなことになるなんて思ってもないから、いざ優花に告白するって言ったって……

……何て言ったらいいかわかんない。



ずっとドアの前に立ってる俺に優花が微笑みかける。


「おしゃべりして待ってようか?」


優花がそう言うから、俺はしゃがみ込んでいる優花の前に座った。


「……なんか優花、楽しそ」

「だってなんか閉じ込めらてるみたい。
ドラマとか漫画とかでよくあるでしょ?

本当に閉じ込められたら怖いけど、ちゃんと松丘くん来てくれるし」



……いや……

故意で、ガチで、閉じ込められてんだけど。



なんだか楽しそうに笑う優花に、俺も自然とつられて笑顔になる。


「……変な、優花ー」

「……そうかなぁ。……あ、何話す?…それともなんかゲームする?」


……ゲーム……

この流れで告白なんて出来んのかな…。



「……じゃあ、古今東西ゲームは?」

「いいよ。テーマは?」

「んー……じゃあ、『周りの人の気になるもの』」

「……気になるもの?」

「……例えば、『晴の天然バカなとこ』とか」

「ふふ(笑)うん、わかった」



ある意味もしかしたら悪口になるんじゃないかと思ったが、もし優花から俺のことを何か言うことがあれば、

優花が俺のことをどう思ってるか、多少なりともわかる気がした。


それによって告白する、しないかが大きく左右される。





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