俺の妹が可愛すぎて。


「あ、リズムとか関係なしな。…じゃあ優花から」

「……『松丘くんのハイテンション』」

「今日、特にうるさいよな(笑)
……『持田の食べる前に臭い嗅ぐくせ』」

「……あは(笑)すっごい気になってた〜。

……『透子ちゃんの走り方』」

「ぷっ(笑)わかる!なんかロボットみたいなやつな」


最近はこんな風にたわいもない会話を優花とするのなんて久々だったから、なんか楽しい。

優花もやたら笑顔でクスクス笑うからその顔見せられたら、余計楽しいし、幸せ。


「……じゃあ『優花の寝癖』」

「…寝癖?」

「うん。いっつもボンバーヘッドで起きてきて、それでもあの頭を綺麗にセットしてくるから、いっつも気になってた」



そう言うと「もう変なとこ見ないでよー」と優花が笑う。


「……じゃあ『ユキちゃんの足』」

「…足?」

「うん。前、リビングでユキちゃん、床に落ちたリモコン…足で拾ってて器用すぎてビックリした」

「あぁ(笑)優花だって変なとこ見てんじゃん」


暇つぶしで始めた古今東西ゲーム。

意外に盛り上がって、後半はなぜか『周りの人の気になるところ』ではなく『お互いの気になるところ』へと変わっていっていた。

仕方ない。狭いこの空間で二人きりでやってるんだから、自然とそうなる。


「……んーと…『優花の食べんの遅いとこ』」

「……『ユキちゃんのたまに口悪いとこ』」


ネタがなくなってくると、『気になるところ』というより『けなし合い』になるのも仕方ない。

それでも楽しいと思えんのは、ゲームだからだし、相手が優花だからだと思う。


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