俺の妹が可愛すぎて。
そんな風にお互いのことを順番に言い合っていて、ネタがなくなってきたのか、優花の番で止まってしまった。
「……早くー。……5、4、……」
「…リズムとかはなしって最初に言ってたじゃない」
「リズムなしだけど、ずっと止まってんのはズルいじゃん。ゲームだもん」
カウントをし出すと、そう言って優花が拗ねる。
このまま優花で止まったら、いつものようにデコピンしてやろうと俺はまたカウントする。
「……5、4、3、2……」
残り一秒となった時、優花は俺の目を真っ直ぐに見て言った。
「……ユキちゃんの未来」
「……未来?…何になりたいとか?」
そう訊くと優花は下を向いて首を横に振る。
「……どういうこと?」
よく意味がわかんなくて、素直にそう訊くと、今度俺を見た優花の目は少しだけ潤んでいた。
そして、その意味を教えてくれた。
「……ユキちゃんが……これからも、ずっと……風馬と実里ママとパパのいる家にいてくれるのか……気になるの…」
この前だって思ってた。
どうして優花は、俺のことで悩んで、こうして泣いているんだろうって。
「……ユキちゃん……透子ちゃんと別れたんでしょ?……どうして?……ユキちゃんのパパと一緒に暮らす為?……どっか行っちゃうから別れたの…?……もう……そう、決めたの…?」
最後のほうはもう泣き出していて、泣き声と言葉が混ざっていた。
「……優花……」
「…っ……あたし…やだっ……。……ユキちゃんが…っいなくなっちゃう…なんて…っやだ…。……風馬や…実里ママや…パパだけじゃないよ…。
……っ……あたし…だって……っ……あたしだって……っ…ユキちゃんが…いなきゃ……嫌なの…っ…。
……いなくなったら……っ…怒るって…すっごく…怒るってっ…言ったのに…っ……。
……一人で……決めちゃ……やだ…っ…」
ぽろぽろ溢れてくる涙を優花が拭ったその瞬間、優花を抱きしめた。
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