俺の妹が可愛すぎて。


「……酔っ払……って…ない…?」


潤んだ瞳で優花が俺を見上げる。


意味がわかんなくて、キョトンとする。



「……パパと実里ママが旅行に言った夜……ユキちゃん…っ……お酒飲んじゃったでしょ…?

……あの夜……ユキちゃん……あたしに…言ってくれた…っ…の」

「…なんて?」

「……『好きだよ』って……」



マジか…。


どうりで覚えてないわけだし、あの後から優花の様子が変になるわけだ。



「……ごめん……覚えてなかった」


そう言うと、優花は首を横に振った。


「……ううん。……あたし……嬉しかった…」



その言葉と、泣いてる優花の思いが少しづつ見えてくる。

……優花の気持ちが知りたかった。


「……次は優花の番。

……優花の『好きなもの』教えて?」



そう言うと、優花は頬に触れていた俺の手を膝の上に下ろすとギュッと握りしめて、触れ合っているその手に視線を移す。


「……あたしの……『好きなもの』は……

……一個目は『ユキちゃんのあったかい手』。


……二個目は『ユキちゃんの優しい目』


……三個目は『ユキちゃんの少しだけ低い声』」



三個目を言い終えて、優花が握られた手からゆっくりと俺を見上げる。


「……四個目は『ユキちゃんの笑顔』」



そして……



「……五個目は『たまにイジワルで身体の堅いユキちゃん』」



もう泣いて涙でいっぱいだけど、俺の大好きな笑顔でそう言った優花をまたギュッて抱きしめた。


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