俺の妹が可愛すぎて。
俺と透子はもう苦笑いでしかなかったが、優花は晴から『よろしく!』と差し出された手に笑顔で握手していた。
「ふふ(笑)ユキちゃんの友達、面白い。」
「聞いたか?!ユキ。優花ちゃんが俺のこと面白いだって!!これは手応えアリだよなっ!!」
またも興奮気味の小声に、なぜかイラッとした俺は「朝からうっせぇ、バカ。」と晴の頭を殴った。
学校までの道を、俺らを四人一緒に登校した。
その間、晴は優花と仲良くなろうと一生懸命バカな話をし、優花はその話に笑って応えていた。
前を歩く二人を見て、複雑な気持ちになる。
晴に、再婚話をした時、
『紹介しろよ!』と言っていたことが現実になろうとしている。
別に晴はバカだけど、いい奴だし、優花だってあんなに笑ってる。
うまくいけば、いいカップルになると思う。
なのに……
なんか面白くない。
「……『ユキちゃん』って呼ばれてるんだ?」
隣で歩く透子がポツリ呟く。
「え、あぁうん。この歳になって兄ちゃんできて『兄ちゃん』とは言いにくいじゃん?」
「…まぁ…たしかに、そうね。あ、そういえば弟くんは?同じ学校でしょ?」
「あぁ、なんか先行くって一人で行った。」
「……仲悪いの?」
「仲…悪いかどうかもわかんね。良くはないだろうな…。」
そう言うと透子は「ふ〜ん。」とつまらなそうに返事した。
風馬も、姉の優花みたいに人懐っこい奴なのかと思ったけど…
引っ越ししてから、目も合わそうともしなければ、会話もまともにしようとしない。
まぁ……単純に、人見知りなだけだといいんだけど……。
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