俺の妹が可愛すぎて。


そんな風にギャアギャア騒ぎながら、教室に行くと、出席番号順で席につくように黒板に席順が張り出されていた。


「あ、ユキちゃん、隣の席だね。よかった♪」


俺より先に席順を見つけた優花が微笑みかける。


「あ、マジで?ノート見せてな。」

「もう。授業中、寝る気満々〜。」

「……俺、最悪…。」


朝からのあのテンションの高さとは明らかに違う暗い晴の声が微かに聞こえた。


席順を見ると、透子は『荒川』だからもちろん一番前の席。
晴も一番前だった。


「晴、ドンマイ♪」


落胆してる晴に、満面の笑みで言ってやった。


「ユキ!おはよ!やった、一緒のクラス!」


そう声をかけてきたのは、持田だった。

駆け寄った持田と俺はハイタッチ。

前の席で、しかも優花と離れてしまった晴は落胆したまま動かない。


「あれ、この子……。」


優花に気づいた持田が優花を指差す。


「あぁ、一応俺の『妹』の優花。」

「やっぱり。こんな可愛い子、ユキの妹なんてユキ、超羨ましい〜。」


そう持田が言い出したことで、俺の周りにいた男子がざわつく。


『あの子、可愛い〜。』

『やっべ、あの可愛いさ。天使じゃん。』


優花の可愛さを讃える声があちらこちらで聞こえてくる。


当本人の優花は、なんだか恥ずかしそうにひょこっと俺の後ろに隠れた。


「……恥ずいの?」

「…うん…だって、みんなあたしのことすっごい見るんだもん。」


そう言いながら、優花は俺のブレザーの裾を掴む。


はい、それ反則ーーー。


それが可愛いいんだって!!




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