俺の妹が可愛すぎて。


それから体育館で、始業式が行われ、校長の長い長い話を欠伸をしながら聞いていた。


そして教室に戻り、担任の先生の話を訊き、掃除をして、今日の学校行事は終わった。

明日からはもう通常授業が行われるらしい。


HRを終え、帰宅でざわつく教室で俺は隣の席の優花に声をかけた。


「あ、優花どうする?俺、これから部活なんだけど、一人で帰れるか?」

「あ、そうか…ユキちゃん、部活なのか。」

「優花ちゃんも部活見学していったら?!」


前の席から晴が笑顔でそう言いながら走ってきた。

その後ろから透子もトボトボと歩いてくる。


「…う〜ん……見学か…。」

「いいじゃん♪あ、透子ももう一人くらいマネージャー欲しいって言ってたし!」

「……誰かさんと誰かさんが、幼なじみだからってコキ使うからね。」


透子の目が冷たく俺と晴を見る。


「そうするか?見てく?」

「うん、見てこうかな。ユキちゃんのユニフォーム姿、ちょっと見たいし。」

「優花ちゃん、俺のも見て見て〜♪」


クネクネしながらそう言う晴は無視して、行こうとした時、俺は思い出した。


「あ、風馬も声かけてやろっか?優花、電話してやって?」

「あ、そうだね。うん、かけてみる。」


そう言うと、優花は鞄から携帯を取り出し、風馬に電話をかけた。


「……風馬って?あぁ、弟くん?」

「うん、そう。アイツも中学三年間はサッカー部だったみたいで。」

「優花ちゃんの弟だから、きっとイケメンか、可愛い弟なんだろうなぁ。」


俺ら三人でそんな話をしている間に、優花は携帯の向こうの風馬と話をしだした。


「あ、風馬?えっと、今からユキちゃんの部活があって、見学においでって言ってくれてるけど、来ない?あたしも行くから。

………うん。

……え?うん、そう?

………うん、わかった。じゃあ、気をつけてね。」


そう言うと、優花は少しため息をこぼしながら、携帯を切った。






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