俺の妹が可愛すぎて。


「もし…

もしもワガママが言えたなら、反対だった?…再婚のこと。」

「……ちっちゃいガキだったら、ヤダって言ってたかもな。」


優花がなんだか切なそうに訊くから、俺はちょっとだけ笑って応える。


「……風馬の言うとおり、本当の親って1人しかいないし。俺だって、この歳になって、ケーゴさんが父親だって言われたって変な感じだし。」


それに……

風馬も優花も、『きょうだい』とは思えないよって付け加えたかったけど、あえて言わなかった。


「ってか、最近アイツ帰り遅いけど、どこ行ってんだろうな。」

「不良になってたりして〜。」


そういいながら、晴がまた俺のポテトをつまもうとするから、その右手をペチッと叩いてやる。


「お前、人のんばっか食いすぎ。もっかい頼んできたらいいじゃん。」

「ちぇ〜……ユキのケチ。ねっ?優花ちゃん、優花ちゃんの『兄ちゃん』ケチだよね?」


俺がさっきあえて言わなかった、そして認めなくなかったキーワードをさらっと言っちゃう晴。


優花はふふっと笑っていた。


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