俺の妹が可愛すぎて。


「……1人みたいだな。」

「…うん、そうだね。」


階段を降り、下駄箱へと向かう風馬をコソコソしながらついていく俺と優花。


風馬は下駄箱で外履に履きかえると、駅の方へと向かって歩いて行く。


学校から駅までは歩いて5分程。

その間、俺らは電柱や看板に隠れたりして、はたから見たら変な奴って思われてるだろう。


電柱に隠れていたとき、ふと後ろを振り返ると、優花は真剣な目で風馬の行動を見ていた。

でも、その優花の手が俺のブレザーの裾をギュッと握っているのに気がついた。




また、俺の裾握っている……。

そういや、前もこんなことあったな(笑)


風馬のことが気になるのと同時に、その優花の一生懸命さが可愛くて思えてきて。


「……なんか優花、楽しんでね?(笑)」


と、思ったこととは違うことを言ってみる。


バカじゃん、優花のその仕草に楽しんでんのは俺だっつーの(笑)


「え、なんか探偵さんみたいだね。」


そうなんだか恥ずかしそうに笑った優花に、なぜか胸がキュンって鳴った気がした。



「あ、風馬行っちゃう。」


小声の最大級の音量で、そう言った優花はまたコソコソと看板に隠れながら風馬についていく。




ヤバイ………




俺はというと、さっきキュンって鳴った気がした胸の音に戸惑っていた。


「ユキちゃん、早く〜。」

「あ、わりぃ。」


たった一瞬だけ…もともとの目的を忘れそうだった俺は看板の影から俺を呼んだ優花の声に、我に返った。




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