俺の妹が可愛すぎて。
駅につくと、風馬は改札口へと向かう。
「……あれ?……あれ、家と逆方向だよな?」
今日は真っ直ぐ家に帰るのかと思いきや、風馬は改札を抜けると家とは逆方向のホームへと歩きだしていた。
「…うん。前住んでた家の方向だね。…前の学校の友達のとこでも行くのかな?」
色んな憶測をしながら、俺と優花は風馬が乗った電車の車両の隣の車両に乗った。
電車ん中で退屈そうにイヤフォンをして音楽を聴く風馬を、俺と優花は吊革に手を置いて眺める。
「……女とデートとかだったりして。」
「彼女いないと思うけどな〜…中学ん時は部活ばっかりしてたし、けっこう女の子から告白されてたのに、女はウザイとか言って興味なさそうだったし。」
「あぁ……確かにモテそう。」
音楽を聴きながら、つまんなそうに外を眺める風馬の横顔はなんかサマになってる。
優花が可愛いだけあって、弟の風馬もやっぱ顔は整ってるほうだと思う。
そんな風に風馬を眺めていると、優花が「……ねぇ、ユキちゃん…。」って声をかけてきた。
振り返ると、優花はまたブレザーの裾を掴んで俺を見上げていた。
さっきも思ったけど、優花の睫毛ってなげぇな……
肌もプルプルだし……
女からしたら、めっちゃ羨ましいだろうなぁ……
………ついでに胸もでけぇし。
そう思いながら優花に「ん?」と返事をすると、
「……ユキちゃんは、彼女…いるの?」
って、優花が訊いた。
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