俺の妹が可愛すぎて。
「……でも。
どっかで、風馬だってそう思ってるんだろって押しつけてた。
俺が母さんとケーゴさんの再婚を賛成したみたいに、
風馬だって、ケーゴさんが風馬の母さんを亡くしてしまった悲しみとか知ってるはずだから……
…だからこそ、賛成してるんだろうって。
もう高校生なんだから、ワガママ言ってんなよって…思ってた。
まぁ……それが『兄貴ヅラ』だったのかもな(笑)」
しばらく俯いて話を訊いていた風馬が、少しづつ顔を上げて、俺の顔を見て話を訊いていた。
「……だからなんとなく距離を保つ風馬に気づいていながら、俺は無理矢理風馬の距離をなくそうとした。
……ごめんな……あえてケンカ売るような、気分悪いこと言って。」
そう言って謝ると、風馬はしばらく俺の顔を見つめていたが、「……別に。」と言ってそっぽ向いた。
そっぽ向かれ、なんとなく優花を見ると、優花はちょっとだけ泣きそうな…でも優しい笑顔で俺に微笑んだ。
「……別に……反対してたわけでもねぇよ。」
そっぽを向いたまま風馬がポツリと呟いた。
俺と優花はキョトンとしていた。
「……でも別に、賛成でもなかったけど。」
そう言って立ち上がった風馬は、花受けにいけられたマリーゴールドの花を優しく撫でながら話し出した。
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