俺の妹が可愛すぎて。
「う〜ん……」
ある日の昼休み。俺と晴、そして持田の男三人は腕組みをして悩んでいた。
「……ごめん、俺がユキにぶつかっていったばっかりにこんなことに…」
時折、そう言って晴がぐずり、
「そうだよ、晴のせいだよ、まったくー。ユキのサイドバックが一番重要なのにっ!」
そう持田が晴を責めたて、
「まぁまぁ、今そんなこと言っても仕方ないだろ」
そう言って俺が持田をなだめる……
俺がケガをしてから、次の先輩の引退試合で、俺の代行がいなくて、こうして三人で悩んでいた。
交代メンバーも含め、ギリギリの人数でやっている為、余ってる部員はまったくいないのだ。
「……まだ一年は入ったばっかだし、ユキの代わりになれるような人材って言われると、いないもんなぁ……」
そう持田が呟いて、俺は「あ…」とある人物を思い出した。
「…どした?」
「あいつ!あいつにしよ!あいつなら、俺の代わり出来るよ!」
「だから、誰だよ(笑)」
苦笑いの持田に、俺は自信満々で言ってやる。
「風馬っ!」
「風馬…?あぁ、優花ちゃんの弟か」
「球技大会の時、ちょっとだけ見たんだけど、あいつすっげぇ上手いよ。敵チームが手出せねぇくらい交わしていくし!晴より上手いかも」
「ユ、ユキまで俺をいじめる〜」
最後イジワルで言った言葉に、ついに晴は机に突っ伏した。
「そっか…優花ちゃんの弟か。じゃあ、まずサッカー部に入部させないとな」
「うん、俺今から風馬に頼んでくるわ!」
「じゃあ、俺も行くよ」
「あぁ〜ん、俺も行く〜!」
勢いよく教室を飛び出そうとした俺と持田の後を慌てて、晴が追いかけて来た。
球技大会から数日、松葉杖の使い方も慣れ、小走りくらいの走りなら出来るようになってしまった。
「ユキ、そんだけ走れんならサッカー出来るんじゃないの?(笑)」
「まぁ、俺も試合出たいのはやまやまなんですけど(笑)」
そう持田と笑いながら話し、教室を出ると、
「わぁっ!」
「わっ!」
購買から帰ってきたであろう優花にぶつかりそうになった。
隣には透子もいた。
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