あなたが作るおいしいごはん【完】
【3】

幼馴染み親子との再会と告白


***


『….萌絵。
君は今日もまさか
バイト先から直帰するつもりか!?』


ある火曜日の朝食時

トーストされた《食パン》に

“マーガリン”を塗りながら

彼は私をジッと見つめた。


《トースト》《グリーンサラダ》

《コンソメスープ》

と一緒に食卓に並んでいた

“トロトロ卵”と小さなサイコロ状の

“じゃがいも”と“グリンピース”が入った

彼特製の《スクランブルエッグ》を

口に運んでいた私は

彼の問いかけに一瞬ビクッと肩が震え

スプーンを落としそうになった。

そんな私の反応に

『…どうした?萌絵。
そんな驚くような質問じゃないだろ?』

彼は《トースト》を齧りながら

不思議そうに私を見た。


「…あっ、ごめんなさい。
ちょっと考え事していただけ。」

と、言って私は

何でもない素振りを見せるように

「…うん…。
早めに…提出しなきゃいけない
レポートが…あるから
帰って早めに取り掛かりたいんだ…。

…あっ、別に夕飯だったら…。
私は…別に…適当に作って
食べられるし…。」

そう言いかけた時

『…そう言うと思った。』

彼が再び私をジッと見つめた。


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