あなたが作るおいしいごはん【完】
彼にも本当はちゃんと話して
相談すべきなのかもしれないけど
角を立てたくない。
…迷惑をかけたくない。
本当は心配を既にかけてるくせに
納得出来ない表情を
させてしまってるくせに
顔に出して、迷惑をかけてるくせに。
なのに…なのにそれでも
私は彼に心配をかけたくないと思って
忙しい彼を悩ませたくなくて
誰も傷つけたくなくて
管理してくれている田宮さんをも
巻き込んでしまうのではないかと
遠慮してしまって話せずにいる。
…ブーッ…ブーッ…。
学校へ行く為に準備をしていた
私のスマホにメールが来た。
チェックした直後
ふぅっ…とため息が出た。
ー〈最近、教室のビルに来てないよね?
顔が見れなくて心配してるよ。
もしかして、俺を避けてる?
やっぱりこの間の告白に怒ってる?
それとも、オフクロが原因?
それだったら、オフクロも謝ってたし
もう“余計な事は言うな”と釘を刺しといたし、俺ももうあんな事は言わないと
約束するから、直接会って謝りたいんだ。萌絵ちゃん、会えないかな?
今日はビルに来ないの?
連絡待ってます。薮嶋〉ー