あなたが作るおいしいごはん【完】

***

薮嶋恭平と私は1歳違いの幼馴染みで

私は『恭君』と呼んでいた。


家も目と鼻の先にある近所で

母親がいない私と靖英は

恭君の母親の寛子(ひろこ)さんに

良く世話をかけて貰っていたり

靖英はカズさん同様

恭君にもお兄ちゃんみたいに良く懐き

良く遊んで貰っていたり

恭君に可愛がって貰っていた。


近所だから

小学校も一緒に登校していたけど

私が小学校2年生の時に

恭君の父親が九州へ転勤となり

薮嶋家は家を売却して

一家で九州へ引っ越していった事で

父は最初の数年は薮嶋家と

年賀状のやり取りはあったものの

今はどちらともなく途絶えたらしく

以来、疎遠となり

私は恭君が今どこにいて

何をしているかも知らなかった。



しかし

そんな私が恭君と偶然再会したのが

彼…カズさんの料理教室のある

あのビルだった。









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