あなたが作るおいしいごはん【完】

結局私は恭君から

『…折角だからさ
もう少しだけ話出来ないかな?
俺、今コーヒー飲みたくてさ。
ケーキも食べたいから
あの喫茶店で喋ろうよ!!』

と、半ば無理やり(?)恭君と

このビルの隣にある

レトロな喫茶店に入り

恭君は《コーヒー》と

《レアチーズケーキ》のセットを

私は《カフェオレ》と新商品の

《パンプキンケーキ》のセットを

注文してお茶にする事になった。


『…無理やりごめんね。
何か萌絵ちゃんに会えて懐かしくて。
あっ、このケーキ美味い!!』

恭君は嬉しそうにケーキを食べながら

『…萌絵ちゃんは今大学生!?
靖英は元気にしてる!?』

など私への質問が始まった。

質問に答えていくうちに私も

「…恭君こそ
九州にずっといたんでしょ?
大学の為にこっちに戻ってきたの?
どうして、あのビルにいたの?」

恭君に質問返しをしていた。

すると

『…恭君か…懐かしいな呼び名だな。』

と、フォークを置いて

『…実は色々あって
5年前にこっちに帰ってきてたけど
大学には…行ってないよ。』

恭君はさっきの明るさから

急に寂しげな表情になった。




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