あなたが作るおいしいごはん【完】
再会した寛子さんは
昔よりは若干痩せて
やつれたような雰囲気だった。
でも、実際に話してみると
『…良く来てくれたわね!!
さあさあ、《紅茶》どうぞ。』
『…萌絵ちゃんは
この《クッキー》好きだったよね?
萌絵ちゃんに会えるのが楽しみで
私久々に張り切って
《クッキー》焼いたのよ!!
さあ、食べてみて!!』
と、昔可愛がって貰っていた
あの頃の笑顔がたくさん見れた。
『…あんなに笑うオフクロは
久しぶりに見るよ。
…また今度も来てくれないか?
話し相手になってやってくれないか?』
恭君はホッとしたような顔をしながら
私にまた来て欲しい旨を伝えて来た。
その後もビルで偶然すれ違うと
『…萌絵ちゃんのおかげで
オフクロの調子が最近いいんだ。』
と、恭君に声をかけられ
報告を受ける時もあった。
そして、数日後
再び私は約束通り
寛子さんの話し相手をする為に
彼に嘘をついて家を出て
恭君の家に訪問した。