あなたが作るおいしいごはん【完】

『…親父達のやり方は強引だけど
俺はカズ義兄さんと身内になれるのは
嬉しいし、義兄さんなら賛成だよ。
それに姉貴は今まで親父や俺の世話を
やいてきてくれたし
姉貴が元カレさんに泣かされて
男運悪かったのも知ってるから
弟としては姉貴はカズ義兄さんと
是非幸せになって欲しい。

カズ義兄さんみたいに
あんなに優れたいい男は
そう簡単にいないから
大事にして貰っているだろうけど
姉貴も義兄さんを大事にしてやれよ。

忙しい人なんだから
くれぐれもつまらねえ事で困らせたり
喧嘩して迷惑かけたり
手放すような事をするなよ。』


靖英からそう言われたのを思い出して

私は彼を大事に出来ていない事や

嫉妬ばかりで卑屈になっている事や

彼を困らせて、迷惑をかけている事に

気付き始め、申し訳なく思い始めた。


…やっぱりあの事はいつかは

きちんと言わないといけないのかも

と暫くの間色々考えているうちに

私はいつしか掃除も洗濯も

完了していた。



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