あなたが作るおいしいごはん【完】
「…明日早く帰れたらいいな。
和亮さんが作るご飯が食べたいです。
作ってくれますか?」
唇が離れても至近距離の状態で
彼に素直な気持ちを伝えると
『…勿論だよ…萌絵…何食べたい?
お姫さまからのリクエストがあれば
何でも作ってあげるよ。』
彼は頬にもキスをすると
私の顔を優しく覗き込んだ。
『お姫さま』に若干照れながら
「…えーっとね…何がいいかな。
じゃあ…和亮さん特製の
《ミーゴレン風五目焼きそば》
が食べたいです。元気出そうだし…。」
と、私は彼にリクエストした。
彼は柔らかい微笑みを浮かべながら
『…勿論いいよ。
萌絵は大好きな《海老》と《きのこ》がたっぷりで、《目玉焼き》を
のせて欲しいんだよね?』
私の言いたい事がわかっていた。
「…そうです…お願いします。」
私がそう言うと
『…明日はとびきり
美味いメシにしてあげるからな?
愛してるよ…萌絵。』
彼は私の耳元で優しく囁いてくれた。
…ショックを受けて
危険な目に遭いかけた一日だった。
でも、彼との想いが通じ合えた
忘れられない日となった。