あなたが作るおいしいごはん【完】
***
…うん?
何だか温かくてふわふわするけど
私、どうしちゃったんだろう?
うっすら目を開けると
見ていたはずのTVが消えて
何だか真横に見える。
…あれ?と
記憶を辿り、気がついた私は
彼が立ち上がって
お風呂を入れてくれている間に
どうやら、ソファーで横になって
寝てしまっていたらしい。
体には彼が気を利かせてくれたのか
毛布がかけられていた。
『…目が覚めた?
安心して睡魔が来たのかもしれないね。』
起き上がった私が視線を向けると
テーブルでノートパソコンを開いて
マウスとキーボードを動かしながら
画面を見ていた彼が
『…体は平気?』
と、聞きながら
パソコンを閉じてこちらに来た。
「…あっ、あの…ごめんなさい。
私…いつの間に…。
寝た覚えないのに…私。
あの……長い時間寝てた?」
慌てて謝る私に
『…別にいいよ。
ちなみに寝てたのは40分位だから。
気分が落ち着いたらでいいから
お風呂行っておいで。
バスタオルも用意してあるから。』
彼はそう言って優しく頭を撫でてくれた。