あなたが作るおいしいごはん【完】
予想外の妊娠発覚と疑惑の扉の向こう側
***
彼と想いが通じ合い
約束通り、お腹がいっぱいになるまで
彼に愛されて、素肌を重ねて
甘く溶け合ったあの日から
2ヶ月の月日が経とうとしていた。
鬱血していた両肩は
微かな痕が完全に消えてはくれないけど
『…綺麗になってきたね。』と
彼が毎晩消毒代わりのキスを落とす度に
愛されている喜びに
…ドクン…ドクンと胸が高鳴った。
今までより彼の微笑みは
《マシュマロ》のように柔らかくて
彼の作るおいしいご飯も
体中に愛情が浸透していくほど
さらにおいしく感じて
私は彼を
……ますます好きになっていった。
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『…“最近のカズ先生は
日に日に男の色気が増して
特に20~30代クラスの生徒さん達から
料理以外の…例えば恋愛相談とか
男子力の向上の相談等を
頻繁にされてる。”って
旦那がこの間話していたわ。』
店内にお客さんがいない時間帯に
休憩する事になった私とレナ店長は
お店のカウンター席に並んで座ると
店長が入れてくれた
《特製チャイ》を飲みながら
レナ店長の旦那さんで
彼のキッチンスタジオの管理人でもある
田宮さんが自宅で話していたとされる
彼の話題に耳を傾けていた。