あなたが作るおいしいごはん【完】

『…今さらながらごめんね。
話を聞いて妹も妹だけど
旦那も萌絵ちゃんが後で
そのような事を知ったら
先生が個人的に妹に教えないと
知ってても、不快になる女心を
わかっていないところがあるから…。』

「……。」

『…あっ、先生は悪くないからね。
悪いのは旦那と妹だからね!!

先生は優しいから
旦那経由で聞かれて
仕方なくだったと思うから…。』

そんなレナ店長の言葉に

最近は会う事はないけど

今も多分絶対に

スタイルが良くて綺麗だと思う

ミレイさんの顔を思い出し

事務所にミレイさんが

タッパーを持って来た日の光景が

一瞬頭をよぎった。


でも、あの時

事務所にいたワケでもなく

直接関わっていないだいぶん前の話を

田宮さんとミレイさんの代わりに

謝ってきたレナ店長に対して

逆に申し訳ないと感じた私は

「…あっ、いいえ。
もう…気にしていませんから…。」

と言いながら手を左右に軽く振ると

「…彼も
『誤解を招く事はもうしない。』
と言ってくれたので…信じています。」

そう言って

気にしていない素振りを見せた。
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