あなたが作るおいしいごはん【完】
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『…ところで、萌絵ちゃん。
もうすぐ20歳の誕生日よね。』
「…そうなんです!!
やっと成人の仲間入りで嬉しいです。」
飲み終えたカップを片付けながら
私はレナ店長に微笑みかけた。
そう、あと数日で私は誕生日が来る。
ギリギリ未成年者だった私は
ようやく20歳になり
成人の仲間入りをする。
今、もし彼と婚約していなかったら
何事もなく普通の短大生だったとしたら
早く20歳が待ち遠しいとは
特に思わなかったかもしれない。
でも、彼との婚約後は
20歳が待ち遠しくて仕方なかった。
それは…。
成人式の振袖への憧れは勿論
彼の隣に立っていて恥ずかしくない
大人の女性になりたくて
早く大人になって
忙しい彼をしっかり支えられる
相応しい女性になりたかったから…。
今はまだ撮られていないけど
『彼が未成年者と…。』等の
誹謗中傷や誤解を
周囲から受けて欲しくなかった事も
少しは私なりに感じていたから
凄く待ち遠しかった。