あなたが作るおいしいごはん【完】
『…それでねぇ…萌絵ちゃん。
誕生日当日はきっと先生に
手作りケーキとか貰えるだろうけど
昨年同様、私からも萌絵ちゃんに
手作りケーキを用意したいんだけど
貰ってくれるかしら?』
レナ店長からの問いに
「……えっ!!本当にですか!?
嬉しいです!!
本当に今年も頂いていいんですか!?」
昨年の誕生日の2日前に店長から
手作りの《チョコレートケーキ》を
プレゼントされて嬉しかった事と
おいしかった事も忘れていなかった。
彼からも勿論
『今年は昨年以上に愛情込めた
《特製ケーキ》と萌絵の大好きなモノを
たくさん作ってあげるからね。』
と、言って貰えているけど
店長からもプレゼントして貰えるとは
ありがたい提案に
「…ありがとうございま……。」
す。と、お礼を言いかけた時
「…………ウッ!!」
突然なぜか気持ち悪くなり
私は咄嗟に口元を押さえた。
『…どうしたの!?』
口元を押さえた私に気づいたレナ店長が
『…萌絵ちゃん?気持ち悪いの!?』
と、カウンター内側の洗い場から
私に視線を向けた。
…気持ち悪い…あぁ…ダメだ!!
私はコクコク頷くと
急いで店内の化粧室へと向かった。