あなたが作るおいしいごはん【完】

数分後

気持ち悪さもようやく落ち着いて

化粧室から出てきた私に

『…大丈夫?
ここに座って、萌絵ちゃん。』

と、カウンターキッチンから

出てきていたレナ店長が

心配そうに何か言いたげな表情で

カウンターの椅子に私を座らせた。


『…ほら、レモン水よ。
口の中がスッキリ、サッパリするから
飲むといいわ。』

店長からそう言われて

「…すいません…いただきます。」

グラスに注がれたレモン水を

私は少しずつ口に含むと

ほのかなレモンの酸味で

確かにサッパリした。


『…萌絵ちゃん大丈夫?』

隣でレナ店長が心配そうに立ちながら

私の背中を撫で始めた。


「…すいません…レナ店長。」

お店に誰もいなかったのが

せめてもの救い。

お客さんがもしいたら

嫌な思いをさせるところだった。

復帰したばかりなのに私ったら

また迷惑を…。

私はやや俯きながら

再びレモン水を口に含んだ。



…それにしても一体何だったんだろう?

私…どうしちゃったんだろう?

こんな突然気持ち悪くなるなんて…。




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