あなたが作るおいしいごはん【完】
そう思っていた時
『…謝らないでいいからね。
ちなみにさっき萌絵ちゃんが
化粧室駆け込んだ後すぐに
外ドアのプレートを
“CLOSED”に変えて
鍵閉めたから安心して。
…こんな事…女性同士でも
聞きにくくて、つい躊躇うけど
萌絵ちゃんにどうしても
確認したい事があるから…。』
そう言って
レナ店長は軽く深呼吸をした後
『……萌絵ちゃん。
あのね…もしかしたら…あなた
……“妊娠”してるんじゃないかしら?』
と、撫でる手を止めて
私を見ながらそう言った。
「…えっ!?“妊娠”!?」
店長の問いに目を見開くと
「…ええ。さっきの様子を見て
私が息子を妊娠した時と似ていたから
多分そうじゃないかと思うの…。
…ねえ、萌絵ちゃん。
変な事聞くようだけど…。
…先月や今月とか最近…生理来てた?」
そう言って私の返答を待った。
その瞬間
「………あっ!!」
思わず声をあげてしまった私は
「…私……そう言えば…。
えっと…その…生理…が…。
…今月も…先月も…まだ来てません。」
そう答えると
「…まさか……。」
私は驚きを抑えるように
両手で口元を押さえた。