あなたが作るおいしいごはん【完】
「…でも、もし本当に
私が彼…和亮さんの赤ちゃんを
妊娠しているとしたら…。
…彼の反応が…心配です。
私も予想外…で、まだ何か
信じられないような感じだから
彼は……喜んでくれるのかな…とか。」
『…萌絵ちゃん?』
「…あの…婚約しているとは言え
順番が逆になっちゃうし
彼は…忙しい人だから
私は20歳になって、短大を卒業したら
今度は私がもっと
彼を支えられるように
彼の奥さんとして
頑張ろうと思っていたのに…。
また負担をかけそうで…。」
そう話す私の目からポロリと
涙が溢れた時
『…何言ってるの!!
負担なワケないじゃない!!
順番は逆だけど
おめでたい話じゃない!!』
レナ店長の力強い声が店内に響いて
私の肩が微かに震えた。
『…萌絵ちゃんは既に
先生と婚約してるし
一緒に暮らしてるし
卒業したら入籍する事も
既に決まってるんでしょ?』
その問いに頷くと
『…だったら問題ないし
先生はそんな無責任な人じゃ
ないはずだから
寧ろ絶対に喜んでくれるはずよ。』
レナさんはそう言った後
『…そう言えば。』と言葉を続けた。