あなたが作るおいしいごはん【完】
…ここにはいない…か。
何だかまた気分が…何となくだけど
辛いかなぁ。
お腹空いちゃったのか気持ち悪いのか
良くわからない。
この2人の会話や
ミレイさんの涙の理由が気になるけど
今の私は彼に会いたいから
やっぱり自分でもう一度
探してみるしかないか…。
そう思いながら、移動しようとした時
『…あの子達…萌絵さんや
弟の靖英君は私に軽蔑するかしら?』
と、ミレイさんが泣きながら話す言葉を
……私は聞き逃さなかった。
…えっ!?何!?私の名前!?
私の名前がミレイさんの口から出た。
弟の靖英の名前まで…。
私や靖英がミレイさんを軽蔑?
何を?何なの?
私はもう一度振り向くと
ドアの隙間を覗いていた。
田宮さんはミレイさんの言葉に
さらに困惑したような表情ながら
『…大丈夫だって。
カズ先生が“浅倉さんに話す。”と
約束してくれてたし
浅倉さんは優しくて
しっかりした女の子だから
絶対にミレイちゃんの事を受け入れて
理解してくれるはずだよ。
先生もちゃんと
浅倉さんに話してくれるはずです。
…レナもわかってくれるって。』
と、ミレイさんに話した言葉が
私をさらに混乱させた。