あなたが作るおいしいごはん【完】
『…………はっ!?赤ちゃん!?』
彼が私の言葉に驚きの声をあげると
『………えっ!?』
『……赤ちゃん!?』
田宮さんとミレイさんまでもが
彼に続いて私の言葉に驚きの声をあげた。
『……ちょっ…萌絵!?
本当か!?赤ちゃんて……。
………妊娠しているのか?』
彼は私の体を離すと
もう一度私の瞳を覗き込むように
『…妊娠…なのか?』
と、さっきの言葉の確認を求めた。
私はコクコク頷いた。
『…レナ店長のお店で気持ち悪くなって
化粧室に駆け込んだら
店長に『妊娠』の可能性を指摘されて
帰りに検査薬買って
マンション戻って試してみたら
………陽性反応が出たの。
病院はまだだけど…。
戻ってからも気持ち悪くなって
洗面所駆け込んだから…悪阻かも。
………だから私。
和亮さんとの赤ちゃんを
………妊娠しているみたいです。』
そう言い切った途端に
『…陽性反応なら…きっと
間違い…ないだろうな…。
そうか…。
俺との子どもが…萌絵のお腹に…。』
黙って私の話を聞いていた
彼の目からポタリポタリと
さっき泣いていた私のように
大粒の涙が頬を伝って流れ落ちた。