あなたが作るおいしいごはん【完】

次の瞬間


『『おめでとうございます!!』』

『『カズ先生と萌絵さん
おめでとうございます。』』

『『お幸せに!!』』


私達は

いつの間にか廊下に出てきていた

アシスタントの速水君達や

エプロン姿でスタンバイしていた

クラスの生徒さん達や

田宮さんやミレイさんからの

大歓声と共に

大きな拍手で祝福を浴びた。

「………!!」

私達は歓声に驚いて体を離した。


そう言えば

ここは彼のキッチンスタジオの廊下。


私ったら…無意識とは言え

こんなところで堂々と

彼に『愛してる。』とか

『和亮さんとの赤ちゃんを妊娠した。』

『見捨てないで。』なんて

恥ずかしい事ばかり言ってしまってたし

彼からも甘い言葉を囁かれた。


田宮さんやミレイさん達は勿論

速水君達や生徒さん達にも

会話が丸聞こえだったなんて……。


…ああ…穴があったら入りたい…。


「……ごめんなさい…和亮さん。
こんなところで…つい、私。」

顔が紅くなる私に

『…俺もつい嬉しくて
場所を全然気にしてなかったな。』

彼もやや顔を紅くさせながら

自分の涙を拭い、私の涙も拭ってくれた。

そして、お互い見つめ合うと

クスクスっと笑い合った。


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