あなたが作るおいしいごはん【完】

しかし

『…もしどうしてもしんどかったら
靖雄さんがもう来るから
マンションまで寄って貰えないか
俺から頼んであげるけど…どうする?』

彼の話の中に

なぜか父の名前が出てきた事で

「…えっ!?
どうしてお父さんがそこに出てくるの?
今日、ここに何か用事でもあるの?」

と、私は驚いて彼に聞き返した。

すると

『…詳しくは靖雄さん本人から
聞いた方がいいかもしれないね。
今まで萌絵や靖英の心情を考えて
ずっと内緒にしてきたらしいけど
もうそう言うワケにはいかなくなった。

……ミレイさんが妊娠したからね。』

と言って彼は

田宮さんと一緒に私達を見ていた

ミレイさんに視線を向けた。


彼の視線に気づいたミレイさんは

あっ…と気づくと

何とも言えない表情を浮かべながら

私に微笑んだ。


……えっ!?どう言う事!?

彼の話がよめなくて私は首を傾げた。

しかし、線と線が繋がったように

…えっ!?…嘘…まさか…。

そう思った途端

『…来たよ。』

彼が微笑みながら呟いた。


その人物の足音は

焦ったようにバタバタと

せわしなくこちらに向かってきた。











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