あなたが作るおいしいごはん【完】

「…あなたとミレイさんとの間に
恋愛感情があったんじゃないかって。

…煮物のタッパーの時は
本当に複雑で嫉妬したの。
その後にあなたの口から
父の名前も出たからなおさら……。

あなたの心の中で私の存在は
一生父を超えられないんだって…。

…そう何度も思ったの。」


すると

『…ごめんな…俺の方こそ。
これからは
誤解がないように気をつけるよ。

…だから、何か気になる事があった時は
遠慮なく聞いて欲しい。

…明日…絶対に一緒に病院行こうな?』


と、彼は優しく微笑みながら

私のお腹に手を置いた。

そして

『…凄く嬉しい。
ずっと好きだった萌絵と
無理やりだったけど婚約出来て
順番が違ったけど
俺の子どもを妊娠してくれた事は
本当に嬉しい。

…俺は絶対に協力するし
《離乳食》も任せてくれたらいいよ。

だから絶対に
一人で抱え込んだりしないで欲しい。

…俺達は家族になるんだから…。』


と、彼が優しい言葉で

『…不思議な気持ちだけど
それ以上に温かくて幸せな気持ちだよ。』

そう言って私のお腹を優しく撫でると

私の目から温かい嬉し涙が頬を伝った。








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