あなたが作るおいしいごはん【完】

『…今、ブラインド開けるから。』

暖房をつけて

ブラインドを彼が開けてくれた瞬間

「………凄い…明るくて…綺麗。」

太陽の光が明るく差し込み

ピカピカの窓ガラスから見える

外の景色は遠くまで良く見えて

見晴らしも最高で

広くて明るい室内には

学校の調理室以上に立派な

IHコンロ、調理スペース、シンクが

一体化された調理台が前に1台

生徒用に6台ほど設置されていた。


調理スペースも実習、調理中に

男性同士の肩がぶつかったりとか

狭い、窮屈の心配もなさそうな

広々とした造りになっていて

彼なりの細やかな配慮と工夫が

この調理台にはたくさん

施されているような気がした。


いつも廊下から様子を見る度に

彼がいつも微笑む姿と

生徒さん達がいつも笑顔で

和気あいあいとしている姿を思い出す。


不思議だな…。

この場所にいると

私まで笑みが溢れそうになる。


「…気持ちいいね…この場所。」

彼がキッチンスタジオを開設して

4〜5年は経つはずだけど

まるでモデルルームに来たみたいに

ピカピカで凄く気持ちがいい。


リピーターが多い、有名な料理教室と

言われるのも一目でわかる気がした。






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