あなたが作るおいしいごはん【完】
「…ごちそうさまでした。」
彼女は相変わらず綺麗に
残さず食べてくれた。
「…ごはん…おいしかった。
海老いっぱいありがとう。
カズ兄ちゃん、また…作ってくれる?」
『また作ってくれる?』は
最高の褒め言葉だと思う。
彼女のその言葉は
俺のメシが本当に美味かったんだと
証明してくれているようだった。
こんなに褒められると照れ臭いけど
本当に嬉しいものなんだなと思いながら
『…どういたしまして。
俺のメシでよければ
いつでも食べさせてあげるよ。
…あっ、そうそう。
今日のおやつにと思って
《生クリーム入りのどら焼き》を
作っておいたんだ。
冷蔵庫に冷やしてるから
15時になったら一緒に食べようね。』
と、片付けながら言った途端
「……わぁーー。凄い。
カズ兄ちゃんは何でも作れるんだね。
……まるで、TVに出てる
お料理の先生みたいでカッコいいね。」
と、彼女が目をキラキラさせながら
俺に言ってきたその言葉を
……俺は聞き逃さなかった、
いや、聞き逃す事が出来なかった。