あなたが作るおいしいごはん【完】


その後俺は23歳で

料理研究家として

デビューする事が出来た。

念願だった男性だけの料理教室を

開講する事が出来た。



しかし、決して

順風満帆だったワケじゃない。

平坦な道程だったワケじゃない。


親父と進路でぶつかって

何度も喧嘩をして

譲れない想いを抱えながらも

心が折れそうになった事もあった。

靖雄さんの仲裁のおかげで

やっと許して貰えた時の涙は

今も忘れていない。


専門学校に通い

念願の調理師免許を取得したものの

何だかまだ足りない気がして

短大にも通い直して食育を学んだ。


いつか自分のスタジオをもつ為に

アルバイトもしながら

親父の会社を手伝いながら

有名な先生のアシスタントを務めて

やっとの事で掴み取った。


色んな想いを抱えながら

大きな壁にぶつかりながら

葛藤しながら

焦っても仕方ない事に

時には焦りながら

不安になりながらも

結局一つ一つ乗り越えてきた。









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