あなたが作るおいしいごはん【完】

俺が乗り越えていけたのは

あの日あの時の萌絵の言葉と

あの日あの時に見せてくれた

眩しいくらいの輝く笑顔が

俺の中にずっと残っていたから…。


「…萌絵はカズ兄ちゃんのご飯で
嬉しい気持ちになったから
もっとたくさんの人を
カズ兄ちゃんのおいしいご飯で
嬉しい気持ちにしてあげて!!」


今でもハッキリ覚えてるよ。

当時小学生のキミに

俺は勇気付けられたから…。


萌絵が俺のレシピを見ながら

料理をしていると

靖雄さんから聞いた時は

夢を叶える一歩に

近づけたような気がして

凄く嬉しかった。

だから、俺はますます

キミの力になりたかった。

煮物やおかずを届けに行った時の

キミの笑顔を見るのが好きだった。

少しでも会話が出来るのが

凄く嬉しかった。


お返しにと可愛い某キャラクターの

ラッピング袋に入った

クッキー等の焼菓子が嬉しかった。

ゆっくり味わう度に

萌絵の笑顔が浮かんで

どんな事も頑張れそうな気がした。


バレンタインのチョコレートの時

義理だとわかっていても嬉しかった。













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