あなたが作るおいしいごはん【完】

***


「…はっ!?結婚!?
カズ兄ちゃんと私が!?」


『…そうだ。
秀和君との間で
何度も話し合いを重ねて
和亮君と萌絵を結婚させる事で
話が纏まった。
…よって、萌絵は高校卒業後
すぐに和亮君と結納を交わして
婚約して貰う。』


突然呼び出されただけでなく

父親から告げられた

耳を疑うような言葉の数々に


「…ちょっ、お父さん!!
冗談やめてよ!!
新年早々こんなところに呼び出して
何をワケわかんない事言ってんの!?」


ハッキリ言って理解に苦しむ私は

家族ぐるみで昔から交流がある

押谷親子の前でとは言え

動揺のあまり

父につい声を荒げてしまった。


しかし

『…別に冗談ではないし
何も僕は別に訳のわからない事も
言ってなんかない。
これは真剣な話だ。』

父はさっきの気まずそうな顔から一変

開き直ったのか

私の動揺にも動じなくなり

『…和亮君と萌絵の将来の為だ。
こんなに良い話はない。』

そう言ってお茶を啜った。
< 33 / 290 >

この作品をシェア

pagetop