あなたが作るおいしいごはん【完】

「…将来の為って何よ!!
勝手に決めないでよ!!
だいたい私は18歳になったばかりだし
春から短大通うのが決まってる事も
お父さんは知ってるでしょ!?
なのに…もう婚約だの、結婚だのなんて
早過ぎるじゃない!!」

さっきから捲し立てている私に

秀和社長が

『…まあまあ、萌絵ちゃん。
落ち着いてお茶でも…。』

私とこの場を落ち着かせようと

気を使う素振りで

私と父の間に入ろうとしている。

でも、私は気がおさまらない。

「…それにカズ兄ちゃんと私は
年が離れ過ぎてるじゃない!!
私は、まだ結婚なんて考えられないし
カズ兄ちゃんの相手が
18歳の未成年女子なんて
カズ兄ちゃんの生徒さん達が知ったら
きっとカズ兄ちゃんは
『ロリコン』だって馬鹿にされるし
カズ兄ちゃんなら、他にもっと
年齢近いどこかのお嬢様とかの方が
絶対に似合うと思うから
私なんてやめておいた方が…。」

そう言った時


『…俺は構わないよ。』


今まで私達親子の言い合いを

黙って時々

お茶を飲みながら聞いていた

カズ兄ちゃんが突然口を開いた。



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