あなたが作るおいしいごはん【完】

『…それに、あの2人は
自分達が結婚に失敗してるから
萌絵ちゃんと俺がそれぞれ
知らない子と結婚するよりは
幼少期からの顔見知りだった
俺達を結婚させて
両家の繋がりを深めていく
そんな魂胆だと思うから
萌絵ちゃんが謝る必要なんてないよ。』

『こちらこそ親父がごめんね。』と

彼も私に謝った。

でもすぐに

『…本当は萌絵ちゃんが
20歳頃になったら…が
約束の中での目安だったらしいけど
萌絵ちゃんが
どうしようもない男性と
付き合っていた事を靖雄さんが
度々心配してたし
親子喧嘩もあったんでしょ?
だから、萌絵ちゃんがやっと
その男性と別れた事で
約束の年齢には早いけど
今このタイミングしかないと思って
婚約に繋げたのかもしれないね。』

彼は謝罪の後サラリと

私と元カレの交際話の事も持ち出した。

「…なっ!!何でそれを
カズ兄ちゃんが知ってるの!?
どうして!?
まさか…お父さん喋ったの!?」

私は驚いて目を見開いた。
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