あなたが作るおいしいごはん【完】

「…わぁ!!ありがとうカズさん!!」

私はその2冊を受け取ると

大事そうにギュッと抱えた。

「…どういたしまして。
じゃあ…着替えてくるよ。
今日は珍しく早く帰れたから
ゆっくりメシが作れそうだよ。」

そう微笑む彼は

テーブルに置いてあった

【メンズキッチンTV】の番組テキストを

ペラペラ捲ると

『…ご飯は炊けてるな。
そしたら…そうだな今日は

《鰆のパン粉焼き》
《たっぷりきのこと人参と
ほうれん草のバターソテー》
《わかめと胡瓜とカニカマの酢の物》
《里芋と白菜と豆腐のお味噌汁》

にするよ。』

本棚にテキストを仕舞った彼は

『…それでいい?』

と、私に確認をしてきた。

私は大きく頷くと

「…勿論です。
カズさんの作るご飯なら
何食べてもおいしいです。
さっきTVで見た《ヘルシー肉味噌》
あれ本当に美味しそうだったし
私も是非作ってみようと思ったよ。」

そう言って彼の瞳をジッと見つめた。











< 9 / 290 >

この作品をシェア

pagetop