あなたが作るおいしいごはん【完】
「…わぁ!!ありがとうカズさん!!」
私はその2冊を受け取ると
大事そうにギュッと抱えた。
「…どういたしまして。
じゃあ…着替えてくるよ。
今日は珍しく早く帰れたから
ゆっくりメシが作れそうだよ。」
そう微笑む彼は
テーブルに置いてあった
【メンズキッチンTV】の番組テキストを
ペラペラ捲ると
『…ご飯は炊けてるな。
そしたら…そうだな今日は
《鰆のパン粉焼き》
《たっぷりきのこと人参と
ほうれん草のバターソテー》
《わかめと胡瓜とカニカマの酢の物》
《里芋と白菜と豆腐のお味噌汁》
にするよ。』
本棚にテキストを仕舞った彼は
『…それでいい?』
と、私に確認をしてきた。
私は大きく頷くと
「…勿論です。
カズさんの作るご飯なら
何食べてもおいしいです。
さっきTVで見た《ヘルシー肉味噌》
あれ本当に美味しそうだったし
私も是非作ってみようと思ったよ。」
そう言って彼の瞳をジッと見つめた。