純愛関係図―It is not love―




 ――昼休み。


 丁度いい冷たさの風が、頬をくすぐる。


 屋上で、私は結月とランチしていた。





「ねぇ…茜」


 ミートボールを口にしようとしていた私に、結月は言った。





「眞田くんって、好きな人いるのかな…?」





 そう聞いてきた結月の表情は、まさに“恋する乙女”で。


 私は、唇を噛み締めた。




「…さぁ?どうなんだろうね」



 わかんないよ、そんなの…。

 わかってたら、こんな辛い想いしてないはずだもん…っ。





「もうね、好きすぎて苦しいの」



 胸元で両手を合わせてギュッと握る結月。




 苦しい…?


 そんなの、私のほうが苦しいよ。





< 10 / 298 >

この作品をシェア

pagetop