純愛関係図―It is not love―




 ふと茜と矢崎くんのことが気になって後ろのゴンドラを見た。



「!」




 見てはいけないシーンを、見てしまった。



 目を丸くしてるあたしを見て、眞田くんは首を傾げながらあたしが見てるところへと目を移した。





「あ、眞田くん…ダメ!」





 ハッと我に返ったときにはもう遅くて、眞田くんに見せないようにと出した声は眞田くんには全く届いていないようだった。




「…!」

 眞田くんも目を丸くして、黙り込んでしまった。






 ―そりゃそうだよね。


 だって…




 好きな人が彼氏とキスしてるシーンなんだから。







 考えても考えても、言葉が見つからない。

 こういう時、なんて言えばいいんだろう。


 長い沈黙が、重々しい空気となっていた。






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