純愛関係図―It is not love―






「でも、諦めないって言ったんだ。振り向かせたいから。好きになってもらいたいから。幸せになりたいから。
 だから…応援、してくれるよね?」





 笑っていない結月の表情が無に近くて、ドクン!と胸が鳴った。


 恐い…。恐いよ、結月。



 どうしちゃったの…?


 私、何かした?





「も、もちろんだよ!両思いになったらいいね」



「うん…。ありがと」





 結月からの心のこもっていない「ありがとう」は初めてだった。


 棒読みに限りなく近い言い方に、焦りを感じる。




 結月、おかしい…。


 ゴンドラから降りたときから変だった。





 ねぇ、何があったの?
 ゴンドラ内で、遥陽と。





 気になるけど、聞いちゃいけない雰囲気なんだよね。


 ここで聞いちゃったらKYだし。





 それに多分、結月に聞いても教えてくれないと思う。


 ごまかされちゃう可能性が高い。




 きっと言いたくないことだから――。







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