純愛関係図―It is not love―





 なんとなくだけど、わかっちゃうんだよね私。



 結月が今、私に何も聞かれたくないこと。





 だから今は、ソッとしておく。


 私だって、無理やり聞きたくない。



 教えてくれる日まで、待ってる…。






 待ってるよ、結月。






「茜は、矢崎くんと進展あった?」



 やっと微笑んでくれた結月の笑顔は……偽物だった。




 怒っているような憎んでいるような笑み、初めて見た。


 私、結月に何かしたっけ?…んー、思いつかない。




 どうしちゃったんだろう、結月。





「進展?」


「うん。ほら例えば………キスしたとか」



「え!!?」






 はっきりと結月が言ったことに驚く。…なんでわかったの?


 ここまでわかりやすい反応をした私に、結月は笑みを消す。




 どうしてさっきから冷たい瞳で私を見るの?



 恐い。
 恐い。
 …恐い。


 友情が壊れてしまうんじゃないかって思うと、崖から落ちたかのような感覚に落ちるくらい、心に穴が空いてしまう。





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