純愛関係図―It is not love―
「アイス溶けちゃうから、行こ?」
「そうだね」
結月の言葉に私は頷いて、矢崎と遥陽がいる場所に戻った。
「遅ぇぞ!」
戻ってきたとき、矢崎がそう言った。
「ご…ごめん」
「げ、ちょっと溶けてんじゃねぇか」
私が持っているチョコアイスを見て言ってから、パクッとアイスを一口食べた矢崎。
「ちょ、何食べてんの!?」
「いいじゃねぇか。これ全部俺食べるから」
ニッと白い歯を見せながら笑う矢崎に、私はふふっと笑みをこぼす。
まぁいいけど、と言ったあと私ももう一つのチョコアイスを食べ始めた。
チラッと横目で結月と遥陽を見ると、結月が遥陽にバニラアイスを渡していた。
結月は可愛らしい笑顔を遥陽に見せながら、隣に座ってアイスを食べ始める。
お似合いだな。改めて思ってしまった。
結月と遥陽が並ぶと絵になるっていうのもあるけど、…雰囲気が似てるんだよね。優しくて落ち着く感じが。
「あ、そうだ…。ねぇ、矢崎」
私はチョコアイスを食べていた手を止めて、矢崎に言った。