純愛関係図―It is not love―






 ――ドキ…



 どうしてかな。キスしたせいかな…。




 急に、矢崎が輝いて見える。

 カッコよく見えるよ……。







「見られたってわかっても、別に後悔はしてない」




「え…?」




「やらなきゃよかった…なんて思ってないからな」






 唇を尖らせて、まだ真っ赤な顔で私に言った。


 拗ねているような口調に、思わず笑みがこぼれてしまう。




 かわいいな、矢崎。


 私もね、思ってないよ。





 あの時、受け入れなきゃよかった…なんて思ってない。


 多分私は、少しずつ……矢崎のことを好きになってる。





 今は遥陽への想いのほうが大きいけど
 きっといつか、矢崎への想いが大きくなるよね――。






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