純愛関係図―It is not love―





「部活かぁ…。たしかにやる気なくすね」




 矢崎のメールを見て、私は頷く。


 よし、返信しよっと。





《部活頑張れー!私はエアコンつけてアイス食べるけど♪

 水族館か。いいね!!楽しみっ。
 Wデートの時と同じ時間と場所で待ち合わせでいい?》





 ……送信っと。






 ―ザワザワ…



「あ、まただ…」




 夏休みに入る前から何度か、この言葉では言い表せないような“予感”を感じていた。


 これから何かが起こる。そう言っているかのような気がしてならない。






 暑いはずなのに、どうしてか一瞬だけ手が震えた。




 予感はすぐ消え、跡形もなくなる。


 恐怖心よりも不安が大きく残る胸に手を添え、私は小さく呟いた。






「みんな……」


 結月、矢崎、遥陽。
 …ねぇ、みんなも感じた?はっきりとしない曖昧な“予感”。




 なぜか泣きたくなるような気持ちになるのは、どうして?








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