純愛関係図―It is not love―





 ギュッとバックの持ち手を強く握り締める。



 遅いなぁ……何かあったのかな。


 時間を確認しようと時計を見ると、もう10時を回っている。





「寝坊でもしたのかな」




 小さく呟くけど、表情はどんどん曇っていく。




 待つのは楽しいけど、すごく不安な気持ちになる。


 遅刻した時間が長ければ長いほど、心配になって胸の中の嬉しいという感情がぼやける。



 早く来て…矢崎。




 今日履いてきた靴が視界に入る。


 無意識に俯いていた私。




 会いたい。


 矢崎に……会いたい。





 矢崎、無事かな。事故でも遭ったんじゃ………。


 ネガティブ思考になる自分に、さらにどんよりとした気持ちになる。


 もうすぐ来るかな?






 矢崎の顔が見たい。事故に遭ってないか、無事かどうか、確かめたい。


 こんな心配性になったのは、矢崎。あんたのせいだからね。



 矢崎がデートに遅れたりするから、いけないんだからね。






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